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デジタル店舗の「成功法則」は固まってきたと思いますね。
店舗レイアウトを大胆に変更。これからの「カメラプリントショップ」の定番を模索

「導入編」でのインタビューにもお応えいだいたホンダカメラさんが、店舗をリニューアルして、よりいっそうデジタルニーズに適合した店舗形態に進化されました。今回は前回のインタビュー時からのさまざまな体験などもふまえて、これからのデジタルデータのプリント時代に、どのような点が店舗運営の基本になるのか、その「成功法則」をうかがってきました。

受付位置からお客さまが見えない。プライバシー重視のレイアウトに変更。

まず、お店に入ると、多くの方はその独特の店内レイアウトに驚かれるに違いありません。お店にドアはなく、従来の写真店の受付カウンター越しの対面販売イメージとは大きく異なります。受付カウンターを目隠しする位置に端末があり、受付の位置からお客さまの顔すら見えません。逆にお客さまからすれば、受付端末CT-1/2だけが目立っていて、店員の存在すら意識できないという構造です。

「お客さまが、この機械は何かな?と思って入って来てくださったら成功だと思うんです。」とおっしゃるのは、代表取締役の本田寛さん。「お客さまの写真はとてもプライベートなものです。だから、受付端末の前に立っていただくには、お客さまのプライベート空間をキチンと作らないといけないと思っているんですよ。まさに銀行のATMのイメージですね。」確かに、端末の周りには隣の端末との仕切り板もあり、隣の方からも画面が見えないように工夫がされています。

「だから、お客さまと直接視線を合わせないように工夫してあるんです。とにかく気軽に端末に触ってもらいたいですから。」とおっしゃる考え方には大きくうなづくものの、従来の写真店のカウンター越しの注文シーンとのあまりのギャップにはやはりとまどってしまいます。「そうですね、確かにここまでレイアウトを徹底して変えるというのは、従来のスタンスでお店を運営されている方には度胸が必要かもしれませんね。実際、私も、ここまで徹底するまでには色々試行錯誤してきましたからね。」

タッチパネルがお店。まず受付端末にさわっていただくことです。

「でもね。」と本田さんは続けられます。「結局、アナログからデジタルへの変化は世の中の必然なんですよ。そう変わっていくのだから、一歩でも二歩でも先を読んで、こちらから変えて行かなければなりません。とくにデジタルの分野の変化のスピードはとても速いですから、早め早めに対応しないとダメだと思いますよ。」と積極的にビジネス形態を変えていくことの重要性を強調されます。

「自分が儲かるようにとか、無理をしないようにということではなくて、要はお客さまが何を求めておられるのかな?と考えることなんです。確かに、やり慣れた商売の仕方でなんとか続けたくなるというのも人情ですが、いまはアナログからデジタルへの転換期ですから、とにかくその変化の先読みをする事、お客さまの気持ちになってどういうサービスを提供するべきかを試す事が大切だと思うんですよ。」とお客さま本位のアプローチの重要性を説かれました。

待ちあいスペース

「いま思うことは」と本田さんは考え方を一言でまとめてくださいます。「要するに受付端末の<タッチパネルこそがお店>なんだ、ということですね。店主や店員がお店なのではなくて、タッチパネルに触ってもらうこと、これこそがお店の本質で、店のスタッフはそのタッチパネルに触られたお客さまのお手伝い、アドバイスをしているだけなんです。そういう逆転の発想が必要ですね。」と、あくまで受付端末をお客さまに操作していただくことに徹底することを最重要に考えておられます。そこまで受付端末が重要なのでしょうか?「重要ですね。もしこの端末と出会っていなければ私はこの商売そのものをやめていたと思うんですよ。そのくらい重要です。」

―― 何がそこまで重要なんでしょうか。

「集客効果ですよ。お客さまの数がまったく違います。はじめは私も恐る恐るで使い始めたんですが、とにかくお客さまが次々に触りにやってこられる。駅前という立地のせいもあるかも知れませんが、とにかくまったく反応度合いが違ったんですよ。だからドアも取り払ったオープンなお店レイアウトにしたんですから。」と受付端末への絶大なる信頼をお伝えくださいました。

ATM裏の証明写真コーナー
プリントさえ手渡せれば勝ちです。必ずリピートするお客さまになっていただけます。

―― でも、機械任せにすることに抵抗をもたれるお店の方も多いと思うんですが。

「いや、それはもうプリントを手渡すことさえできれば大丈夫です。お客さまの信頼を損なうという恐れはないですよ。ポイントはプリントの品質です。銀塩のプリントが、ホームプリンタの品質とはまったく違うことは、我々よりお客さまのほうがよくご存知なくらいですよ。一度キレイなプリントで写真を手にすれば、必ず次も、この端末でプリント注文してくださいます。プリントさえ手渡せれば、それで勝ちです。」

―― そんなに違うものですか?品質面で質が高いとお客さまが喜んでおられるなと実感されてますか?

「実感しますね。本当に一度受付端末でプリントを受け取った方は着実にリピーターになってくださっていると思いますよ。それはソファを置いた待合スペースにおられるお客さまを見ていても感じますが、何より数字が伸びています。それが何よりの証拠ですね。当店では時期を見て低価格プリントのお試しキャンペーンを打つのですが、そのたびに固定のお客さまが増えている感じですね。キャンペーンを打たなくても、日々5枚~10枚程度のわずかな枚数をプリントしに来られるお客さまがおられるのですが、そういう方は十中八九お試しプリントですね。次に来られる時は旅行の写真など大量にプリントされていきます。」

各種プリントグッズ

―― そのお試しの5枚だけプリントという方が大切ですね。

「そうです。5枚でも実際にプリントすればそれで品質やコストの面での便利性がわかるわけです。自分でパソコンで設定するより簡単で、コストもそんなに変わらない。手間をかけてプリンタで出すことを考えれば5分くらい待つのは問題ではない。そういうことがわかるわけですね。そして次から本格的にプリントしに来られる。だからとにかく、より多くのお客さまに気軽に受付端末のタッチパネルに触れていただきたいわけです。」

―― いままさに、新規のお客さまの裾野が広がりつつある、そういう状態なわけですね。

「そうです。そういうことなんです。そこが大切なんですよ。」

デジタル対応の店舗展開は、もう、ある程度見えてきていると思います。

―― こういう店舗スタイルをはじめられて、何か見えてきたことなどはありますか?

「いろいろありますね。数字の面などでも法則というかルールが見えてきている部分もあります。同業で当店と同じように受付端末を入れておられるフォトセブンさんとも、よくお話をさせてもらいますが、数字など現象は共通していることが多いですね。いきおい対応策も似てきてしまって兄弟店のようになっていますが(笑)、別にこれはおかしなことではなくて、世の中がそういう流れになってきている、ということだと思います。去年は業界全体が本当にアナログの落ち込みが激しかったと思うんですが、今後もプリント店を続けて行くということであれば、やはりうちのように店頭端末をベースにする、タッチパネルこそが店だと考えるというのは、ひとつのスタンダードになると思いますね。」

―― なるほど。今後の展開はどのように考えておられますか?

「先を読むことが大切ですから、いろいろ考えてますよ(笑)。この地域では受付端末の存在がある程度認知されてきたと思いますので、次はタッチパネルをさわる事自体を楽しんでいただけるような仕掛けができないかなと考えてます。一回のプリントで1000円程度は使われるという数字も見えていますし、その価格に見合った楽しさを提供するべきだなと。まだお話できるほど内容が固まっているわけではないですが、そんなことは考えています。」

―― もう半年から一年後にはケータイからのデジカメ写真のプリントニーズも出てくるはずですが、そのあたりはどう捉えておられますか?

「それも、いまからいろいろ考えておかなけばとは思っています。まだ具体策はないですけどね。いまはじめている取り組みで言えば、写真以外にもキーホルダー等への出力ですね。はじめたばかりですが、反応は悪くないですね。」

―― それはやはり先ほどの裾野の広がりのおかげですね。

「そういうことでしょうね。」

―― 多店舗展開は考えておられないんですか。

「そこまでは考えていませんよ。でもいまは数多く手を広げるより、まず中身の濃い商売をしたいですね。お客さまに喜んでいただけるお店にすることです。いちばん思うことはそこですね。」

―― なるほど。参考になりました。ありがとうございます。

ホンダカメラ様

ホンダカメラさんは、大阪の市営地下鉄の改札を出てすぐの場所にあり、まさにビジネスの現場、都市部の中心でのお客様のニーズを吸い上げておられるイメージでした。お話をうかがっていると、デジタル時代の成功法則はすでにできあがりつつあるなという実感を持ちます。これから、こういう成功法則を元にさまざまな展開のお店が全国に生まれればいいなと強く感じながらお店を後にしました。

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