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「時代の大きなうねりを、追いかけていくこと。」そこから新しい道は開けていきます。
常識にしばられず、独自の経営戦略で新規出店。

写真店の廃業や撤退の話もよく耳にする中、「これからはデジタルの時代」と、新規に参入されたのが、神戸市東灘区の「写真のパパス」さん。まさに時代の流れから生まれたとも言える独自の経営戦略について、興味深いお話しをうかがってきました。

業界・知り合いの多くから反対された新規参入
店舗外観
店舗内装
プリントショップ「写真のパパス」さんはオレンジを基調とした内外装で、清潔で明るいイメージのお店。神戸は東灘の甲南町という、古くから商店街として栄えた場所に、一年前から新規で出店されています。代表取締役の中嶌学さんに、写真のプリントショップという業態に、新規参入したという点からお話しをうかがおうとすると、開口一番、「私が代表を務めておりますし、店の舵取りもやっている、店の顔であることは確かなんですけれど、経営者、という意味では、もう一人オーナーがおりまして、そちらが大きな戦略は立てているんです。」と意外なエピソードからお話しは始まりました。
「私はもともと、写真が好きですし、こういう写真店に印画紙や機材などを卸す企業に勤めていたんです。それで、ずっとこんなお店をやりたいなとは考えていましたし、その企業に勤めていたころにも、様々な形態の写真店の出店をお手伝いさせていただきました。その時にデジタルの技術面で協力してもらうために声をかけて一緒にお店のコンセプトを立てた技術の人間が、いまのオーナーなんです。」と、出店までの経緯をお話くださいました。
そのオーナーの意見をまとめると、つまりは時代の流れが大きく変わってきている、ということに尽きるそうです。写真だけでなく、あらゆる商品やサービスがデジタル技術の革新によって大きく様変わりしている。その変革の波は、もう十年も二十年も前から始まっていて、今も社会全体を変え続けているのだと。パパスさんの新規出店は、まさにそういう時代の流れを読み、これからのデジタル市場の拡大を想定してのことだそうです。「私たちは『写真店はこれからも伸びていく』と判断して、新規参入することにしたんです。そこが他の写真店さんとは違うのかも知れません。」とおっしゃる中嶌さん。
時代の大きな変化の流れの中では、まさに今がチャンスの時期。しかし逆に言えば、時代の流れをフォローできないお店にとっては、時代についていけずに苦しむことになる、ということにもなります。その時代の捉え方が、周りの反応に大きな差を生み出しているとのことだそうです。「従来タイプの写真店の実情を良く知っている、写真関係の業界にいましたから、会社をやめて『写真店を出す』と言うと、みんなが目を丸くして驚いていましたね。でも、私たちとしては、過去の様々な経験から手応えも十分感じていましたし、不安はなかったんですよ。」と周りの心配をよそに、中嶌さんの反応はすこぶる余裕綽々。大きな戦略を固めた上での安心感があってはじめて、この「パパス」は誕生した、ということのようです。
しかし、新たに出店となると、立地には細心の注意を払うはず。そのあたりについてもうかがってみると、「それはもう丹念に物件を探しました。この場所が見つかるまで、一年かかってますね。このあたり一帯は、昔から『写真店不毛地帯』と言われていて、なにもわざわざあんな場所に出店しなくてもと、さんざん言われたりもしたのですが、私たちから見れば、震災の後に出来たマンションも多く、そこに暮らす新婚さんも多いから、子供の写真をプリントするニーズは大きいと読んでたんです。その読みはまさにピタリとはまりましたね。」と、ここでも業界の常識にとらわれない、「時代を読む目」が生きていることを感じさせてくれました。
お客さまの声に耳を傾けると予想外の展開が。
デジタルとアナログの違いは、結局、アナログ時代の「撮影結果の確認のために、全プリントが必要だ」という必需動機から、「気に入った写真だけを気ままにプリントして楽しみたい」という楽しみ型の動機にニーズそのものが変わったということです。「だから、うまくお客さまのニーズを吸い上げて、それを店運営に反映させることなんですよ。市場は広がっていて、プリントしたいという動機が変化しているのだから、そういうお客さまのニーズの変化を、日々こまやかに、しっかり見据えることが大切なんです」とおっしゃる中嶌さん。
確かに、オープン当初は、お客さまのニーズをつかみきれず、想定していなかった出来事に、混乱したこともあったそうです。「あえて写真店のようでそれだけではない、そんな雰囲気が出るように心がけて店内のデザインを決めました。」と笑ってお話しくださる中嶌さん。店頭レイアウトはそんなこともあって日々変更の連続。お客さまのニーズや用途を確認しながら手探りで進めておられます。
店内レイアウト
「でもね、思っていたのとは全然違う展開になっていても、それが悪い方には展開してないからいいんですよ。予想外の展開の中にこそお客さまのニーズがあるのかもしれませんから。」と中嶌さん。たとえば、パパスさんでは、子供のいる新婚家庭、それもデジカメユーザーを主要顧客と想定していたので、当初はアナログのフィルムは少種類、少量数しか用意してなかったのだそうです。「でも、お客さまの声を丹念に聞いていくと、『置いて欲しい』という声が大きいんですよ。だからお客さまのご要望にお応えする形で、取り扱いを始めたんです。他の写真店さんだとフィルムの売り上げ比率がどんどん下がっていくという話が多いのですが、当店の場合、スタートがフィルム売り上げはゼロですから、どんどんフィルムの売り上げが上がっているということになるんです。」と、予想外の展開についてお話くださいました。
「結局、いま、街中にデジタル化された画像を楽しむサービスを提案、サポートしてくれる店がない。それをパパスに聞いてください!ということです。当店には本当に色々な質問や要望がきます。そのお客様の声を伺っていると、写真店に出来ることは、もっともっとあるんだなぁと、改めて気付かされてしまいます。」と、お店の顔、パパスの代表として、大きな戦略と平行して、謙虚にお客さまの声を聞く大切さを伝えてくださいました。
危機感を共有する商店街全体で、販売促進策を実行。
「たとえば店頭受付機のCT-2にしても、60を過ぎたお年寄りの方でも普通に使ってくださっています。もう、お客さまがご自分でプリントを指定するスタイルは相当定着しているのだということなんです。その下の世代の主婦の年代なら、プリクラを楽しんだことのある世代ですし、ご自分で指定する方が普通になっています。いまや数年前の写真店とは、運営の仕方そのものが、まったく変わってしまったということです。逆に変わらないものもある。それは写真を楽しむ文化です。それを忘れてた写真屋は駄目になります。人間の持つ普遍的な気持ちに、デジタルという新しい技術でどう応えていくか?原点回帰と挑戦、この2つが我々のキーワードです。」と、いまの写真店=デジタルプリントショップ運営の重要ポイントが、商売の本質と時代の流れを見極める事にある、という点を強調されました。
「その点、うちの店は、もう一人、女性の優れたオペレーターもいてる、ということが重要ですね。オーナーの時代を読む目、私のお客さま対応、そして彼女のこまやかな出力技術です。自分の得意な面を、それぞれが活かすことで、お客さまの要望にも確実にお応えできますし、うまくバランスが取れていると思います。」とおっしゃる中嶌さん。確かにお店の壁には、三人それぞれの役割分担と、お店全体の理念が貼り出されています。
「こういう役割分担を明確にすることで、自分の仕事の意味が明確になりますし、そのことが、全員での地域社会への貢献意識へと発展している部分があると思います。地域とうまく協力しあう事でニーズもわかり、確実な店舗運営になるという経営手法が大事です。とにかく、三人とも写真が好きですし、このパパスという店を写真好きの方が集まる場所にしていくことが我々に取っての課題です。そして、それは何より地域の方から求められていることですよ。」と、写真店の「社会的な使命」のお話しになりました。
スタッフの役割
「この商店街は、昔は路面電車の駅があって、このあたりのメインストリートだったんですが、路面電車が廃線になって、少し外れた位置の商店街になってしまったんです。でもだからこそ結束力は強いですし、震災後に移り住んで来た方も新たに生活を築いていきたいという欲求の高い方ばかりですから、さまざまな新しい取り組みにも積極的に関わっていただけるんですね。」と中嶌さんはひと束の写真を見せてくださいました。
ハロウィーンキャンペーン写真
「これはこの10月にやった商店街のハロウィーンキャンペーンの時の写真です。お化けや魔女のコスプレで親子写真を撮る無料サービスを商店街主催でやったのですが、通常、こういう取り組みはインスタント写真が多いんです。でもうちはQSSで、高品質画像でやりました。これが大変好評だったんです。子供さんの本当に可愛い時期の楽しいコスチューム姿は、やはり美しく残したい。それが当然ですよね。フレームのテンプレートなどもハロウィーン専用のものをこちらで作って提供しましたからより一層楽しい雰囲気が出せたと思います。今後もこういう、地域の方が喜んでくださるようなサービスの向上に、どんどん取り組んで行きたいと思っているんですよ。」と中嶌さんこれからの課題に思いをはせておられました。
ポイントはサービス提供のために「腕を磨く」ということ。
「結局、大切なのは、プロとして1ステップ上を目指すことだと思うんですよ。」と中嶌さんは続けられます。「お客さまのお話を伺っていて、良く分かるのは、お客さま自身が何でもよくご存じだ、ということなんです。インターネットの時代ですから、少し調べればいろんな事がわかってしまう。だからこそ、そこで一歩上を行くサービスを提供できるかどうかなんですね。みなさん情報に敏感なので、通り一遍のことではダメで、なにかお客さまに喜んでいただけるメリットを提供しないといけません。」とプロとしての向上心、腕を磨くことが、これからのプリントショップのポイントだと強調されます。
「たとえば携帯からのプリントにしても、画素数が少ないのでどうしても荒れてしまいますよね。その詳しいご説明もして差し上げるんですが、それに加えて、QSSの分割プリントの機能を使って、一枚のプリントに複数ショット、あるいは同じショットを連続してプリントする手法などを提案しています。こういう機械の機能をサービスとして活かす提案が大切だと思うんですね。ですから、今後は、商品ラインアップとして新時代のアルバム提案としてフィルムーブのようなパソコンでのスライドショーを提案するとか、スクラップブッキングの教室を開くなども順次取り組んで行こうと思ってます。」と、「腕を磨く」ことに余念がないご様子。
オーペレート風景
「やはり、情報力のあるお客さまのニーズに的確に応えるということだと思います。腕を磨くのもお客さまによろこんでいただくためには一歩上を行く必要があるからですし、たとえば大判のプリントサービスを望んでいるニーズが見えているので、新しい機械を導入しようと考えていたり、ですね。お客さまのニーズがあって、それに応えれば『サービス』として成立しますから。当店はそういう形で『写真屋』ではなく、地域の総合プリントショップとしてやって行きたいですし、それが従来の『写真屋さん』とは違う点ではないでしょうか。」とおっしゃる中嶌さん。デジタル時代の変化を捉えて発展するお店と、時代についていけずに苦しむお店の差は、この「写真屋さん」と「総合プリントショップ」というとらえ方の違いにあるのかも知れません。
写真のパパス(有限会社ピクト・ワークス) 様

パパスは平成16年10月にオープンした新しい写真ショップ。従来の銀塩プリントサービスはもちろん、デジタルプリント、大判プリント、ダビング、各種撮影など、さまざまな画像関連サービスを提供する新しいタイプの「プリントショップ」として運営されています。ホームページには、スタッフの日記をはじめ、こどもたちの可愛い写真が満載のお友達ギャラリーなど、情報も満載です。ぜひアクセスしてみてください。

住所
〒658-0084
神戸市東灘区甲南町3丁目7-13
TEL/FAX 078(441)6922
ホームページ
http://www.kobe-papas.com/
メール
papaps@kobe-papas.com
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