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[ビジネスソリューション]ショップレポート 写真のハッピー/ハッピーエンゼル

写真のハッピー/ハッピーエンゼル代表 福田好子様

写真の基本は「家族写真」。いまあらためて問う、「みんなで一緒に撮る」意味と価値。

人と人をつなぐ、写真という存在の価値

「写真のハッピー」さんは、奈良・天理市という、宗教が根付く都市で、長年写真店を経営されてきたお店。写真のあり方が大きく変わってきた中、あらためて人と人をつなぐ、写真という存在の価値について、基本に立ち返る事のできるお話をじっくりとうかがってきました。

宗教都市に学ぶ、人が集まる場での「写真の魅力」

  • お店の外観
  • 撮影スタジオ「ハッピーエンゼル」を別店舗として運営
  • これだけの人数が集まる集合写真はなかなか見ることもできない

今回おうかがいしたのは、奈良県は天理市。ここは天理教の発祥の地でもあり、駅前には「ようこそおかえり」の文字が並んでいます。

「『おぢば』と言って、人類の発祥の地がこの地であり、ここに来られた方は人類のふるさとに帰ってきたのですよ、という意味で『ようこそおかえり』になっています。」と言葉の意味を教えてくださったのは、この地で長年写真店・撮影スタジオを経営されている福田好子さんです。

「天理市のように、宗教名が地方自治体名になっている街は数少ないですからね。」と、この土地ならではの地域文化をお話くださいます。

「亡くなった主人が始めた店ですが、土地柄もあってか、プリントは当然ながら、スタジオ撮影や出張撮影など、いろいろ声をかけていただくんですよ。」という福田さん。人を大切にする土地柄、記念写真や集合写真のニーズがとても高いようです。

「天理教は、日本全国に教会があって、それぞれ地方でも活動されているんですが、教会での行事の記念写真を、出張で撮影に出かけることもあります。また夏の間は、『こどもおぢばがえり』と言って、信者でなくても参加できる子供さんのためのイベントもありますから、そこでの記念写真をプリントされるお客さんなども多いですね。」とおっしゃいます。

他の土地と少し違う点で、教会での行事の撮影というのは、二百人三百人という大人数での集合写真になることもあるそうです。ずらりと参加された方全員のお顔がわかる大きな写真は、見るだけで迫力があるものです。

「教会のとても広い大広間での撮影で、光が回るかどうか心配しながら撮影したこともありますが、大切な写真ですから、なんとか工夫して撮影しています。」とご苦労を語られます。

「写真館もやっていますので、スタジオでのお宮参りの写真を撮影することもあるんですけど、以前ご夫婦の兄弟家族30人という大人数で来られたんですね。そのお子さんは、ご家族の直系の長男さんのお誕生ということもあって、まさに家族としてはじめての記念写真だったわけです。でもスタジオの中では人が入りきらなかったので、『外で撮影しましょうか?』とご提案して、ご親戚、ご家族が1枚の写真におさまるようにしたんですよ。」とその場にいる全員が写る「1枚の記念写真」にこだわっておられます。

昔ながらの記念写真・家族写真こそ、写真の基本

「やっぱりね、記念写真が基本だと思うんですよ。」と、福田さん。

「里帰りで家族が一同に集まった時など、昔は記念写真を撮影したものですよね? でもいまは、気軽に撮影できるようになった分、個人個人の写真はあるのに、同じ場所にいた人全員の集合写真がなかったりするんですよ。きちんと整列していなくてもかまわないので、そういうのがあればいいなと思います。

写真はひと目見てパッとその時の事がわかるところが良いところじゃないですか? そういう良さが活かせてなくてもったいないなぁと思うんです。

  • 店内写真(1)
  • 店内写真(2)
  • 店内写真(3)

昔は写真の裏に、日付とか集まった理由とか、いろいろ書き込んでいたでしょ? それって、スクラップブッキングでいう『ジャーナル』なんです。私はスクラップブッキングの講師もしていますので、おしゃれに記録を楽しんでほしいと思います。」と、記録としての写真という、大切なポイントについて強調されます。

「なので、私はお客さまがプリントされる時に必ず、文字入れが必要かどうかをおうかがいします。『どうします?』と聞かれてはじめて、『あ、入れておいた方がいいな』と思われる方が多いんです。たとえば同窓会の写真なんかだと、何回目の写真なのかとか、そういう事を一言入れておくだけで1枚の写真の価値が全然変わってきますからね。」と、ぜひ真似したい写真店の提案要素をお話しされます。

「七五三や成人式など、家族の誰か一人の記念で来られたお客さまにも、『せっかく集まったのなら、家族みなさんで一緒に撮影した方がいいですよ』って、いつもお勧めしています。家族の集合写真ってとても大切じゃないですか。大切な写真になるかどうかが、『一緒に写っているかどうか』で決まるっていうところがあるんですよ。」と積極的にお客さまへの「撮り方アドバイス」をされているとのこと。核家族が当たり前になってき現代だからこそ、人と人とのつながりを大切にされるという姿勢は、おおいに学びたいところです。

1枚の写真が持つ、大きな力を再確認

「いまはシャッター数が増えたと言われていますが、お客さまの中には、それで困っていらっしゃる方もおられるんですよ。」と、時代を感じるお話もうかがえました。

「一人目のお子さんは良い写真を選んでプリントし、アルバムに整理されていたけれど、二人目三人目になると、撮りっぱなしでデータのまま。どう整理してよいかもわからない、と思っておられるんですよね。」確かに、そういう事を気にされているお母さんは多そうです。

「だから私は、『とにかくプリントだけはしておきましょうよ。』ってお勧めしています。箱に入れておくだけでもいいから、データではなくてプリントにしておけば、それを見て『あ、こんな写真があったら良いのに』とか『もうちょっと良い写真を撮ろう』とか、足りない情報はジャーナルで補うとかできますし。プリントさえしてあればなんとかなるんですよ。」と、どんなお店でもお客さまに提案できる、プリントする価値についてアピールされます。

「一枚の台紙にキチンとまとめられれば、実は他の写真はなくてもいいくらいなんです。記念写真もスクラップブッキングも、ひと目でわかるようにするという意味では同じことで、整理して、そういう大切な1枚を作ることが、写真のもともとの役割なんじゃないでしょうか。」と、1枚の写真の大切さを福田さんは語られます。

「たった1枚の写真でも、たとえばお見合い写真なんかはものすごく大事ですよね。写真がその方の人生を決めるものですから。

よくうちの店に来られるお嬢さんがいて、その方のお見合い写真を撮影したんですが、『なんとかこの人を結婚までさせてあげたい!』と思ってたんです。でも美人なのに、写真を写されるのが苦手な方で、悩んだあげく『野外で撮影してみましょうか?』と提案してみたんです。そうしたら、スタジオから出られてリラックスされたのか、とても良い表情の写真が撮れて、それでその方の結婚が決まったんですよ。」と、印象深いエピソードをご紹介くださいました。

  • お見合い写真(1)
  • お見合い写真(2)

「後日その間に入っておられたお見合い紹介所の方が、わざわざ当店に来られまして、『あのお嬢さんの写真を撮影されたのは、こちらの写真館だと聞いてうかがいました。また別の方のお見合い写真をお願いしたいのですが。』という撮影依頼までいただいたんです。」という仕事の広がりにまでつながったというお話になりました。

「この場合は、たまたまお見合い写真の依頼でしたが、1枚の写真からご結婚が決まれば、その後の結婚写真や披露宴写真、お子さまの誕生、お宮参りと、どんどん写真を撮るニーズが広がっていくわけですよね。それがそのお嬢さんの1枚の写真を大切にすることで生まれる事なんです。『大切な1枚』を撮るという事は、それだけ大切な事なんだと思いますよ。」と福田さん。

ハレの日を見つけていく姿勢で

「ハレの日の写真というのが大事だと思うんですよ。特別に大切な日を『ハレの日』、なんでもない日常の日を『ケの日』と言いますが、その『ハレの日の写真』ですね。それを大切にしたいなと思うんです。」と福田さんは、昔ながらの記念写真の復活を提案されます。

「たとえばお正月。フィルムやプリント自体が贅沢品だった昔は、それこそお正月に玄関の前で、家族が揃って写真を撮ったじゃないですか。ああいう当たり前の記念写真こそ、もう一度お客さまに提案していかないといけないなと思うんです。

家族みんなで撮影したとたんに『ハレの写真』になって、大切な1枚になる。その違いをまずお客さまに体感していただければいいと思うんです。赤ちゃんを中心にみんなの集合写真を撮れば、その子が大きくなった時に、その1枚で一瞬にフッと昔に戻れる、その場にいた人すべてに話題も広がります。やはり家族写真というのが、基本中の基本だと思います」と福田さん。

具体的には、どんな販促活動をされているのかをおうかがいすると、

「うちは手間をかけずに、手まきチラシを配っています。天理教には、修養科と言って、この天理の地で教義を学ぶ研修があるんです。たくさんの方が、泊り込みで3ヵ月の間修養されていかれるんです。朝、その修養科生の方が店の付近を通られる時に、修養科生さんや学生さんにはデジタルプリントや同時プリント・Lサイズプリントをお安くサービスしますという内容のチラシを手渡すんです。」と、手軽だが効果的な手法を紹介してくださいました。

「手まきのチラシをお渡ししておけば、学生さん同士の口コミで伝わったりして、行き帰りなんかにプリントに来られるんですよね。足を運んでくださったお客さまに記念写真の大切さを伝える事が、また記念写真のきっかけになることもあると思います。どこのお店でも、地域特性を考えてチラシで少しアピールすれば、機会は意外にあるのではないでしょうか。」とおっしゃる福田さん。確かに、近くの駅や学校、あるいは大勢の人が集まる居酒屋など、意外なアピールポイントはありそうです。

  • 記念写真(結婚式)
  • 色んな記念写真

「集合写真や記念写真など『ハレの写真』があれば、フォトブックなどへも展開しやすいですからね。写真がきっかけで、記念誌の印刷まで請け負った事もありますよ。いろんな展開が可能なんです。それもこれも、人には誰しも人間を中心に、記念・記録として残しておきたいという思いがあるからではないでしょうか。」と、集合写真の大切さを繰り返しアピールする福田さん。

日々実感されている人と人とのつながりを、経営に活かされているなと、関心した取材でした。

掲載日(2009年3月)

写真のハッピー/ハッピーエンゼル
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